平成 19年度事業活動の報告

1 国際善隣活動

(1) 中国問題 研究所

 ・「研究所」としては現在活動休止中であるが、毎月第3金曜日に行なわれている
  「アジア研究懇話会」において、中国問題についての研究活動が進められて来た。
    今後は、公益法人制度改革案を策定する中で、更に検討していきたい。

(2) 国際善隣学院

 ・4月4目、平成19年度始業式。2年生(29・30期生)の授業開始。
 ・4月生の許可がO名という緊急事態になった。
  10月生の試験と面接のため、例年通り4月18日から28日までと5月8日から10日
    までの二手に分かれて長春・藩陽・大連・呼和浩特・北京・上海で入学選考を行なった。
   13名の学院合格者を入国管理局に申請して9名の許可を得たが、1名が辞退して8名
    となった。
    4月生の再審査があり、1名が許可となり7月に来校した。
    その31期生1名と32期生8名との入学式は10月17日に行なわれた。
  ・学習指導面では、6月と11に行なわれる日本留学試験対策を重点的に行ない、過去
   に出題された問題を模擬試験の形で実施した。留学試験の後、12月には 日本語能力
   試験があった。また、大学院・大学・専門学枝のどこでも必須とする面接の対策にも意を
   用い、1人の学生について4人の指導者が総がかりで模擬面 接をした。
 ・社会見学は箱根バス旅行で10月31日に行なわれた。欠席者はわずか1名という関心
   の高い行事となった。協会からも学院協力委員の4氏にご参加いただいた。新年度も
   多くの会員の皆様方の参加をお願いしたい。
 ・春節会は2月8日、池袋の豊島区勤労福祉会館で行なわれた。この春節会は本校の
   ような協会直属の学校だから行なえることで、今年も協会から古海理事長を はじめ、
   17名という多数の方々の参加をいただいた。内モンゴルから来た学生の馬頭琴演奏
   などを始めとして、合唱や手品などで楽しいひと時を過ごした。昨 年より、全員に同じ
   ものをと贈リ物は図書カードとポールペンにした、そのために出席者ぱかりでなく出席
   できない方々からも多額の寄付をいただきましたこと に対し、この欄を借りましてお礼
   申し上げます。
 ・2月19・20日の卒業試験を経て、3月5日、第19回卒業式。
  17名入学した学生は1名が中途で大学院に進学したため、16名が卒業した。
   進学先の内 訳は研究生を含む大学院が3名、大学が8名、専門学校が5名である。
   聴講生として2年間本学院で学習した1名の学生にも修了証書が授与された。
   今年もまた 本人の努力に加えて先生方の熱心な指導もあって、全員の進路が年度内
   に決定した。
 ・生活指導にしても教科指導にしても年間を通しての学生指導は例年通りであるが、
   絶えず新しい工夫を加えて指導をしている。
 ・3月16日、修了式。17日から19日まで新学年に進級するための補習を行なった。

(3) 日中環境事業

 ・2006年9月末、6年間継続した日中環境保護生態林プロジェクトが無事完成し、引き
   続いて  2006年10月から、北京の生態林建設及び風砂の進入を 防ぐ意味でやはり
   北京西北の昌平区と延慶県の境界に近い「関溝」において従来と同様、北京環境保護
   基金会パートナーとして、日中交流基金の助成を得て、新 たに「日中民問友誼林」の
   建設を開始した。初年度は20ha、2万本(このて柏、白松・はぜ)を植林した。春の植林
   時期である2007年4月7日に北京在 住の日本人40数名の参加を得て、中国人
   約100名と共に合同植林を実施し、今後数年続く本プロジェクトの起工式を実施した。
   ただし、この合同植林は足場 の都合もあって、蟒山国立森林公園において挙行した。
   また、この年は日中国交回復35周年に当たったため、本活動が2007「日中文化・
   スポーツ交流年」 記念事業の一つとして承認された。2007年10月から、本プロジェクト
   は2年目に入り、初年度と同様20ha、2万本の植林を実施する予定である。

 ・当協会は2007年10月から、中国西安市郊外の臨潼区において地元政府をパートナー
   として、やはり日中交流基金の助成を得て、生産性が上がらないため、農民が耕作を
   放棄した土地27haにおける植林建設を開始した。これは典型的な「退耕還林」(畑を
   森や林に返す政策)で   ある。この黄土高原は放棄しておく と、雨季の度に土壌侵食
   が進み、生態の破壊へと進行していく。その意味では「退耕還林」は生態建設でもある。
   2008年の春が来るまで、地拵え、貯水槽の 建設等の準備に入っている。ここでの
   プロジェクト対象地は100haであり、これを3年間で緑化を完成する予定である。
   主たる樹種はこのて柏、胡桃、にせ アカシアである。樹種で北京のプロジェクトと大きく
   異なるのは、ここでは農民の喜ぷ経済的価値の高い「胡桃、にせアカシア」の割合が
   比較的大きいことであ る。本プロジェクト名称は「西安市臨潼区日中友好林」である。


(4) 国際交流事業

 ・本年度からJICAの「青年招聘事業」が諸般の事情で「青年研修事業」に衣替えし、
   再出発することとなり、当協会は環境保護「廃棄物の処理及びリサイ クル」というテーマ
   でフィリピン青年15名を13日間に亘って受入れた。実施に際し、群馬県館林の協力を
   得て、後半2日間を館林の関連施設を見学し、関係 者と交流した。都内プログラムでは
   国・都の廃棄物政策の講義のほか、電池のリサイクルの講義、廃棄物処理施設の
   見学等、豊富な内容で青年たちの評価も高 かった協会内では会員との懇談・交流会
  を実施し、フィリピン青年との交流を深めた。


 2 援護活動

 ・ 残留孤児国賠訴訟関係

     昨年1月の安倍総理の指示による新たな支援策は与党のプロジェクトチームにより
  策定され、その案が訴訟原告団に提示されて協議を重ねた結果、種々の問題点 を残した
  新支援策ではあったが、完全なものを得ようとするではなく、次善の策で手を打つことに
  なった。支援法の改正案は昨年12月に成立し、本年4月より 実施することになっている。

 ・中国残留孤児肉親 調査訪日団関係

      通算第38回目の訪日団の来日に際し、11月18日開催のポランテイア団体主催の
   歓迎会に協会として生花を贈り、団員全員に土産品を贈呈した。また、役員 や会員が
   これに参加して訪日孤児を慰問激励した。


3 文化広報活動

(1) 講演会・フォーラム

     次のとおり善隣諸国をめぐる国際問題、政治、経済及び文化に関する
   講演会・フォーラム(22回)を開催した。

平成19年

 4月06日  感染症の広がり方と防ぎ方
           大妻女子大学教授 井上栄氏
 4月13日  国民党時代の司法制度
           前中央大学日中関係発展研究センター 三橋陽介氏
 5月11日  中露関係と日本 - 歴史と展望
           前東京大学教授 石井明氏
 6月01日  日中学術教育交流に夢をのせて
           横浜国立大学教授 村田忠禧氏
 6月29日  満洲の百年 - 敗者たちの記録
                  東京工科大学名誉教授 末里周平氏 
 7月06日  世界の大学 - 学生気質とお国ぷリ
           慶応大学経済学部教授 吉野直行氏
 7月13日  国際環境協力の経験から - 国際機関・学会・企業
           桜美林大学名誉教授 藤田慶喜氏
 7月27日  天に一番近い土地 - チベットの生活と文化
           東大客員研究員 天津・南開大学教授 イーシーウィサ アツオ氏(チペット人)
 8月03日  中国メディア研究の新動向
          北海道大学教授(元読売新聞中国総局長) 高井潔司氏
 9月28日  渤海国と唐、そして日本
           國學院大學栃木短期大学教授 酒寄雅志氏
10月05日  満州国総務長官武部六蔵が生きた時代と人
           道路文化研究所理事長・工学博士 武部健一氏(武部六蔵氏子息)
10月26日  東大・北京大学学生討論会を開催して
          「京論壇2007代表」東大工学部4年 古田英之氏
11月02日  政局展望
           時事通信社編集局総務兼解説委員 鈴木美勝氏
11月09日  戦後満洲における共産党の戦時動員
           国立公文書館アジア歴史資料センター研究員・史学博士 大沢武彦氏
11月20日  金融の現状と目本銀行の役割
           高千穂大学講師(元日銀考査役) 荒巻浩明氏
12月07日  日本語交流で知った中国人大学生の対日観
           国際交流研究所所長(元朝日新聞) 大森和夫氏

平成20年

 1月25日  満洲史研究への私見
           宇都宮大学教授 伊藤一彦氏
 2月01日  21世紀の医学・医療のアラカルト
           前日本大学総長 瀬在幸安氏
 2月08日  霞山会の新ビル見学と交流の会
 2月22日  最近の中国、ロシアの事情について
           元内閣広報官、元皇宮警察本部長 宮脇磊介氏
 3月07日  相互理解は先ず言葉から
             桜美林大学教授(孔子学院副学院長) 楊光俊氏
 3月14日  現場で見て来た中国経済
           三菱商事(株)顧問(前中国総代表) 武田勝年氏

(2) アジア研究懇話会

    次のとおり、第3金曜18:30開催で12回実施した。

平成19年

 4月20日  中国証券市場の光と影
           東洋証券(株)経営企画部 鈴掛徹氏
 5月18日  在中日系企業の見るこれからの中国投資
           日中投資促進機構 細井靖氏
 6月15日  幹部人事から見る中国
           中国幹部人事研究者 高橋博氏
 7月20日  中国における法務トラブルと回避心得
           弁護士 池内雅利氏
 8月17日  激辛書評で知る中国の政治経済の虚実
           横浜市立大学名誉教授(協会理事) 矢吹晋氏
 9月21日  中国ビジネス前線の諸問題
           富士電機ホールディングス中国センター長 影山ひろみ氏
10月19日  臨界点の中国を語る
           読売新聞編集委員 藤野彰氏
11月16日  中国の対日観の変遷 - 国交正常化35年に当たって
           上海国際間題研究所 呉寄南氏
12月21日  中国の石油と天然ガスを語る
           元石油公団審議役 神原達氏

平成20年

 1月18日  新春展望
           元中国大使 中江要介氏
 2月15日  中国経済の行方と日中経済関係
           外務省アジア大洋州局日中経済室長 松本盛雄氏
 3月21日  全人代を分析する
           横浜市立大学名誉教授(協会理事) 矢吹晋氏


4 特別事業

 ・ 「引揚60周年記念事業」の継続

  平成18年度の特別事業として企画された「引揚60周年記念行事」は成功裡に終了
 したが、その後この記録を基に「記念誌」「DVD」「VHS」が編集発行 され、会員、参加者、
 官庁、図書館、マスコミ等に配布されたほか、希望者にも頒布された。そのため本事業は
 2年にまたがって実施され、決算は平成19年度 末に行なわれた。


5 関西地区本部

  平成19年7月5日、関西地区会員と平成18年11月に開催された「引揚60周年記念
 の集い」のビデオ観賞会が行われた。金澤事務局長より「集い」の成果についての 報告
 があり、その後 当日の記録から編集されたビデオ作品が上映された。

                                                        以上