替え玉受験は氷山の一角
大学受験も終わったばかり。甘粛省天水市での替え玉受験事件が明らかになった。
23名が替え玉で受験、皆山東省から来た者で、移民手続きと替え玉がセットに
なった大掛かりな事件であるという事実が明らかになった。
天水市の事件だけではない。2006年、2007年には河南省鄲城、安徽省徽山、
陜西賞洋県でも替え玉受験が明らかになっている。県レベルの高校教師の中には、
替え玉受験などめずらしくもない、一部では公然の秘密だという声もある。
ここ二年、一部の大学では新入生に対する身分調査を実施している。2001年から
今日まで山東経済学院ではこの調査で偽の大学生60余名を退学処分とした。
同校の元募集事務局の主任、劉伯栄氏は、調査の網を潜り抜ける者はいても、誤って
処分されたものはいないと語る。替え玉事件には多くの教育関係者が関与している。
また組織的な行為であることもある。ある高校教師は名前を明かさないことを条件に、
背景にはこの犯罪がお金になるという事実と実績を上げたいという思いがあると明か
した。
高校の中には、進学率を上げたいがために、不正に対して見て見ぬふりをする
ばかりか、教師自らが替え玉受験の手配をしている学校もあるという。陜西省洋県
の替え玉事件では学校の実績を上げるため教師が高校二年生に替え玉受験をさせて
いたのである。
(『新華毎日電訊』2008年6月24日)
出生率低下で政策見直しになるか
四川省の大地震で多くの一人子が犠牲になったことで、多くの人々が、こんな危倶を
抱いた。唯一の子供を失った親たちは何を希望に生きてゆけばよいのだろう。わが国
の計画出産制度はこれを契機に見直されるのではなのか。老齢化問題はどう解決する
のか。
この数年、性別による中絶、不妊、社会の経済発展がもたらす競争効果などの要因に
より出産が抑制され、出生率は低下傾向にある。もはや産児制限政策の影響力は少ない
と見なす専門家も多い。
中国社会科学院は江蘇省の6つの県、2万人近くに対するサンプル調査により、現代
の女性の出産に対する考え方が大きく転換していることを発見した。子供中心という
意識が薄れ、理性的になり、精神的充足のためというのが出産の主要な動機であると
いう。自らも一人っ子が理想とする子供の数は平均1.45人という。
統計によれば、出生政策の中で二人子供をもうけても良いと優遇されている夫婦の
90.1%が子供の数は1人で、4.4%だけが2人の子供をもうけており、全体的
に子供を産みたいという気持ちが低い。一部の地域では出生率の低下が新たな人口
問題を引き起こしている。
上海等の大都市では出生率の低下による人口の減少は、地方から大量に人口が流入
するために、問題が顕在化していないのだと指摘する専門家もいる。
出生率の低下は将来人口の減少をもたらす。試算では2043年には中国の人口の
半数が48歳以上に、4人に1人は65歳の老人になるという。急速な老齢化は経済
の持続的発展に多大な影響をもたらすであろう。
(『中国青年報』2008年6月24日)
雨に弱い都市
7月1日の晩から未明にかけて暴雨が昆明を見舞った。主要道路の交通は麻痺し、多く
の自動車が立体交差の道路の下で水没した。大渋滞で市内の半分は車で埋め尽くされ、
道路の冠水により多くの市民が家に閉じ込められた。
7月2日は高校受験の第1日目であったが、ある試験会場では雨のために74人の
受験生が試験場に入れず、国語の試験を受けることができなかった。川の水が溢れた
ため、昆明の飛行場の出発ターミナルは高いところで腰の高さまで浸水した。滑走路
も離着陸が困難になり、百余機が遅延、五千人の旅客に影響が出た。
以前の昆明は雨が降ると冬のようになる、といわれたが、今は雨が降ると水浸しだ、
と昆明市民。
昆明の排水施設管理公司の馬躍基氏は三つの原因を指摘する。一つ目は排水能力や
配水管網が限定的であること、二つ目には市中心部の排水機構が雨水の排水と下水道
の両用になっており、日に日に狭くなる川からは行き場のない水が逆流していること。
三つには市民が捨てるごみで川が流れにくくなっているなど、川が機能を果たさない
ようになっていることである。
都市の冠水は昆明に限らず、2006年には台風により福建省や湖南省などの都市
でも起こっている。昨年の7月には大暴雨で重慶の中心部や49の町が冠水して
いる。
昆明市防災署の王明書氏は、水に関する行政機構を一元化して効率を高めること、
配水管網の設計、建設を根本から見直すことが必要だと指摘する。例えば青島では
百年以上前にドイツ人が作り上げた排水機構が今でもきちんと機能しているという。
われわれが外国のように計画的な精神を持つのは何時のことであろう。
(『今晩報』2008年7月5日)
収入格差拡大の背景
全国の業種別平均給与の差は1978年の1.6倍から2006年の4.7倍に拡大
した。80年代の改革で企業は給与や手当ての水準を決定する権利を得たが、この
ため企業収益の差が、職員の給与差につながり、業種や企業によって差が広がった
のである。
1996年以降労働市場の改革が進み、赤字の国営企業は人員削減を行ったが、公共
事業や郵便、通信などの寡占企業への影響は少なく、また金融や電信などの分野は
多くの利潤を背景に職員給与を一気に増加させた。90年代以降多くの農民が労働者
として地方から都市へ出るようになり、高い技能を必要としない労働は激しい就業
競争にさらされる。
さらに1997年以後正職員の給与が大幅に改定されてからは、正職員と人員削減
で職を失った人との格差がさらに顕著になるのである。業種間の収入格差の広がり
は、地域間格差に次いで、農民と都市の収入格差の主要な要因となっている。
業種間格差に対する不満の声は強まっており、政府が収入格差を是正し、寡占状態
を打開しようと動く原動力となっている。
寡占状態を打開する鍵は商品市場と労働力市場を同時により活性化させることに
ある。社会的な関係や政治的身分や出身家庭が寡占部門に入り高収入をえるための
切り札となっているが、かかる労働力市場の不公平と業種問収入格差は中国が直面
する日々厳しさをます挑戦だといえるであろう。
(『瞭望東方週刊』2008年7月13日)
過去の中国ウォッチング
2008年7月号内容
2008年6月号内容
2008年5月号内容
2008年4月号内容
2008年3月号内容
2008年2月号内容
2008年1月号内容
2007年12月号内容
2007年11月号内容
2007年10月号内容
2007年9月号内容
2007年8月号内容
2007年7月号内容
2007年6月号内容
2007年5月号内容
2007年4月号内容
2007年3月号内容
2007年2月号内容
2007年1月号内容
2006年12月号内容
2006年11月号内容
2006年10月号内容
2006年9月号内容
2006年8月号内容
2006年7月号内容
2006年6月号内容
2006年5月号内容
2006年4月号内容
2006年3月号内容
2006年2月号内容
2006年1月号内容
2005年12月号内容
2005年11月号内容
2005年10月号内容
2005年9月号内容
2005年8月号内容
2005年7月号内容
2005年6月号内容
2005年5月号内容
2005年4月号内容
2005年3月号内容
2005年2月号内容
2005年1月号内容
2004年12月号内容
2004年11月号内容
2004年10月号内容
2004年9月号内容
2004年8月号内容
2004年7月号内容

|
国際善隣学院|
中国問題研究所|