広州の新「地主」
江貝村の謝さんに会った時、とうに忘れていた地主という
概念がふと頭に蘇った。赤くつやのある顔、でっぷりとした
太鼓腹、楊枝をくわえ、手には咽そうな煙草。とても丁重な
態度でお茶を勧めてくれた。謝さんは広州市海珠区江貝村の
農民の家に生れた。改革解放政策下で広州が大発展した時、
彼の家の名義だった場所が新興都市となった。賢い謝さんは
資金を集め賃貸用の商業用の建物を建てた頃から生活は一変
した。
今では五階建ての高級アパートを三棟も建て、家賃収入だけ
で月軽く一万を超える。自身は地元を離れ静かで地価の安定
した天河北の高級住宅に住む。村では白分は大した事はない、
他の地方から働きに来る人たちは大変だから安く家を貸すと
語る。村ではそうした活動を許可するだけでなく、村の土地
を工場に貸して得た利益を村人に分配している。次々訪れる
友人たちとの話題は昨夜の麻雀の勝敗だ。勝敗の額をきくと
「一千は行っているな」と笑う。
謝さんは昼頃起きてお茶を飲み、数時間仕事をすると日暮れ
前に麻雀仲間から電話が来る。「一生地主で過ごすのか。」
と訊ねると、「地主ではなく、事業主ですよ、親父は地主の
ために働いたが、当時の地主の取立ては厳しかったらしい
から」そして、自分は歳の行った農民で、他に大きな仕事も
できないので、余裕があれば家に投資を続ける、子供も大学
に入って安心したと語る。
猪(注:右側の漢字は「者」ではなく「昔」)徳村は地方出身
者たちが多く住む村だ。どの小路に入っても家の密集ぶりに
驚かされる。桂姐さんは本名陳桂珍といい四十七歳だ。彼女
の所有しているアパートを訪れると、四階まで部屋は埋まり
外廊下には古い家具等が溢れ、夕食の料理の臭いが充満して
いる。夕食前に家賃を徴収するのだという。
桂姐さんは家中の金と村から借りた金の三十数万元で四階建
てのアパートを建てた。すぐに利益が出たので五階建を建て
た。数年で収入も増えた。「大した事無いわよ。月一万ちょ
っとかな。」と謙虚に答える。
桂姐さん名義の部屋は四十軒、その中の一つに家族と住んで
いる。「入居者とは上手くいっていますか」ときくと、
「まあまあね。だけど水商売の女性と、偽の証明書を持って
くる人には絶対に貸さないの」ときっぱり言う。自分が地主
という感覚はあるかと訊ねると「農民よ、生計を立てるのは
大変だもの」と答えた。
(『共鳴』2005年第3期4月20日)
民間の石油開発に期待
新彊ウイグル自治区は天然ガスの埋蔵量が10億立方平方メ
ートルで確認埋蔵量としては中国第一位、原油は208億6
千万トンで中国第二位である。自治区政府のイスマイルニアィ
リワルディ主席は、原油生産量は2010年には5千万トン
を超え、勝利油田、大慶油田を凌ぎ、中国の陸上石油生産王
になるだろうと語った。
新彊石油業商会は鳴り物入りで設立準備に入っている。準備
委員長の陳環英氏が語る商会設立後の活動は第一が中央アジ
アにおける石油取引、第二は国内外の民間資本を導入して、
上流の石油掘削から下流の製品開発までの事業を手がける
ことだ。第三は生物ハイテク技術の研究開発、ビートとトウ
モロコシを原料にしたアルコール生産である。
民間実業家の中には商会の設立は、政府が石油産業に民間が
参入することを認めるというサインではないか、と商機を感じ
取っている者もいる。準備委員会の責任者も上流事業の開放
は遠くないと言っている。
商売上手で知られる浙江省温州の事業家たち。新彊浙江企業連合
会長の黄銀栄氏は、「開発半ばで放棄された、或は老朽化した油井
への民間の投資が許可されることを期待している。石油化学工業へ
の参入にも興味がある。」と述べる。
巴州温州商会副会長の王永強氏はコルラ市と輪台県に会社を持つ。
輪台県の富源掘削技術サービス公司は主に油田開発の前段階で
ある探査油井の掘削を行っている。1996年から油田事業に参入し、
タリム油田をはじめ新彊の全ての油田を知っている。
なぜ石油生産を手掛けないのか、という記者の問いに、「正式には民間
の参入が認められていないからで、認められればやりたい。利益は魅力
的だからね。わが社には五百数万元の掘削設備もあるしね」と王氏。
個人の石油開発の事例を知っているか訊ねると、「多くない。理由は三つ。
政策とリスクと実力だ」、カラマイ石油管理局の責任者の一人が言った。
「石油業は資金もリスクも大きい。油井一本で2千万元は下らない。
タリム油田の深いものは五、六千万元はかかる。」技術力、設備、管理
体制、市場運営、優秀な人材などがなければ、探査開発には着手できない。
クチャ県のイチカリカ油田は地質状況が複雑で多くの油田が開発途中で
一滴の石油もでないまま放棄されている。多くの資金が無駄になったと
いうことだ。
陳環英氏は、商会設立後民間投資による石油開発を組織し、商会の有する
地質資料や図面でバックアップすると述べている。放棄された油井についても、
どの油井が見込みがあり、どれは廃棄すべきかをアドバイスするというのだ。
中国の石油消費量は毎年3億数千万トン。うち1億トンは輸入に頼る。
民間の資本力を活用し、微生物科学技術による石油開発を行うことは、国内
的にも国際的にも圧力を緩和することになり、エネルギーの安全に貢献する
ことにもなるだろう。
(『中国青年報』2005年6月6日)
私立に押される公立学校
懐安第一中高等学校はもともと、張家口市の重点中学校であった。しかし
この二年ほどの問、同地区では民間経営の学校が急速に台頭し、特に張家口
市内の私立学校が次々と高い報酬で優秀な教師を引き抜き始めた。
1人の優秀な教師が引き抜かれると、10名の優秀な生徒が着いていく。同校
では昨年の八月以降、28名もの優秀な教師と数百人もの優秀な生徒が私立
学校へ転校してしまった。
学校は教師と生徒を確保するため、制度改革を迫られた。昨年8月に学校は
年間350万元の賃貸契約という形で個人実業家の経営管理下に入った。
懐安県だけでなく、張家口市の13の県のうち、8から9の県で私立学校が
立ち上げられている。
懐安県では教育行政関係者80名が出資をして北晨学校を立ち上げたが、
出資者のうち30名は教育局の副局長4人を含む教育局幹部で、40名は郷鎮
などの下部自治体の中学校長や、小学校長、幼稚園長などである。
政府や教育部門の官僚は口では、民間学校は公立学校の教師を引き抜き、
無秩序な競争を引起していると非難しながら、私立学校を支援しているので
ある。
公立学校は教師の給与を全額国の交付金に頼る現状である以上、経営状況は
苦しい。一方で民間経営の学校は国から一銭の補助金をもらわず、しかも中には
国にお金を納めている所もありながら、教師の年俸は10万元、20万元にも
上り、優秀な生徒に対する奨励金を数千、数万元という単位で出せるのである。
教師や生徒は何処に行っても、同じ教師であり生徒だが、彼らがあちこちに
転がされているうちに、生徒の親は汗水流して稼いだ金を搾り取られるだけ
搾り取られ、経営者の財布は益々膨らむ、と批判する当局者もいる。
一方で、民間学校の発展が公立学校改革の推進力になるであろうという意見もある。
(『中国商報』2005年5月17日)

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