頭脳の流失はいかほどか
中国科学技術大学少年クラス第一期生1978年入学生の進路について
調べたところ、クラス全員88名が四大陸に散ばり、国籍も7〜8ヶ国
にわたるという。第一期から27年たった今、千人に近い卒業生のうち
半数は国外へ行ったまま帰国していない。現在優秀な大学の卒業生の
行き先は、一に出国、二に大学院、三に外国企業であり、国が注ぎ
込んだ資金が結局は他人の婚礼衣装代になっているわけである。
世界の一流大学を目指していた北京大学と清華大学に国は1999年から
三年間で累計18億元ずつ資金投入した。しかし、2000年の北京大学
学部卒業生2154人と大学院修了生1596人中直接海外へ留学したも
のは卒業生全体の20%にあたる751名で、その78%の587人の
留学先が米国であった。同じ年に清華大学を卒業して直接海外留学を申請
した人数は千人の大台に乗り、以後毎年増え続けている。
両大学では皆学部二、三年生の頃からGREやTOEFLの試験準備を
始める。北京大学の物理や化学などの理工系の卒業生は海外留学生が特に
多く、クラス全員が出国することも珍しくなく、米国で同窓会が開かれる。
中国青年報が無作為に選んだ18人の清華大学生に取材した結果、海外で
さらに勉強したいと表明した14名のうち、必ず帰国すると答えたのは
3名に過ぎなかった。
人材の海外流失の要因として先進国は環境が整っているが、国内の教育
研究体制はハード、ソフト両面とも立ち遅れており、指導教員の力も足
りず、多くの人が能力を発揮できずにいる。国内の学費は上がる一方な
のに対し、米国は魅力的な奨学金が用意されており学生の経済的独立と
達成感を実現しているのだ。これを踏まえて我々の人材政策は見直しに
値するのではないか、と専門家は指摘する。
(『中国改革報』2005年11月2日)
最新のエネルギー事情
国務院主催の報道会見で国家発展改革委員会の副主任張国宝は、中国の
エネルギーの対外依存度は6%であり、諸外国は中国のエネルギー需要
の伸びに敏感になる必要はないと述べた。2004年の一次エネルギー
生産量は石炭が18億4500万トンで世界第二位、原油は1億7500
万トンで世界五位に入る。国家発展委員会の計画では、今後二十年に
わたり年産1億8000万トンの原油生産を確保できる見通しである。
原油の備蓄体制は整備の途中であり、現在も石油備蓄施設が建設中である。
今後は石油の備蓄量も増加する見込みである。
国際原油価格の値上りは石油製品価格の上昇をもたらすが、我国の石油
製品価格は国際価格と連動していない。国内でのガソリンやディーゼル油
の販売価格は国際価格に比ベトン当たり1500元から2000元も安い
が、これは農業や運送業及び軍用など多方面の利益を考えてのことである。
張国宝はまた、燃油税の必要性については多くの人が認識しており、この件
については既に審議される予定であると述べた。
(『北京娯楽新報』2005年9月14日)
重い医療費負担
医療費が払えないために生きたまま火葬場に運ばれるという悲惨な事件が
浙江省台州市で起きた。10月24日、47歳の尤国英は脳溢血で倒れ病院
に運ばれたが、家族はお金がないため、27日には治療をあきらめ病院の
救急車で斎場に運ぶよう頼んだ。幸い、斎場の職員たちの機転と善意の援助
により台州医院路橋院区に戻され治療を続けている。
中央テレビで10月1日伝えられた話だ。吉林省農民劉高偉はお金
がないからと若干28歳の妻、孫瑞傑の安楽死を懇願した。妻の病気は結核性
脳膜炎で不治の病ではない。しかし、発病以来、数万元の医療費のため家は破産
状態だった。報道後政府の援助により孫さんの治療は続けられている。
次は今年8月3日『北京晩報』の報道。8月1日、劉国志は北京第三環状道路安華
橋西北側の20メートルのフォードの広告パネルに上り、肝臓癌である自分の治療費
を出してくれるよう訴えた。昨年7月29日の『南方週末』から。一昨年の11月に
河南省新鄭市の病院に交通事故の被害者男性が運ばれた。しかし、患者は話せず、
字も書けず、身元不明。医療費を払う能力はない。苗病院長と劉主任は患者を長葛
地区の救急センターに委ねようと、数名に依頼し、患者を長葛市老城鎮の丁字路に
置き去りにした上で120番に電話をした。翌朝患者は凍死体で農民に発見された。
事件は昨年摘発され5人が有罪となった。
2004年の7月14日『東方新報』の報道によれば中南大学湘雅医学院大学院生
楊永春は前年の11月に白血病と診断された。彼は病床で博士論文を書き上げ、
メディアに対し「私の医療費を払ってくれる法人があればお礼に学んだことを活か
して青春を捧げる」と身売り宣言をした。
衛生部が昨日発表した『第三次国家衛生サービスに関する調査の主要結果』では
医療費の伸びが個人収入の伸びを上回り、医療費支出は食費、教育費に次ぎ三番目
の大きな支出項目となる一方、五割の市民が病気になっても医者に行かない事実が
明らかにされた。国では1993年、1998年および2003年に衛生業務調査
を行った。過去五年問で都市市民及び農村住民の平均収入の伸びは8.9%と
2.4%であるのに対し、医療費支出の伸びは13.5%、11.8%となっている。
医療サービスの利用率も低下している。調査によると48.9%の国民が病気にな
っても医者にいかないという。診察を受けた人の29.6%が入院治療を勧められたの
に入院していない。それらのうち38.2%が経済的理由であり、特に入院が
必要であるのにしない人の七割が経済的理由によるという。特に低所得者層では
入院が必要でもしない人の割合は41%にも上っている。
この外一部の辺境地域では衛生資源の不足により、受診自体が困難である。最寄の
医療機関までの距離と時間をみると、貧困地域では18%の世帯が5キロメートル
以上であり、四分の一の世帯が30分以上かかるという。
(『中国青年報』2005年11月18日)
中国語の保護はまず方言から
多くの中国人、とりわけ南方の人が直面している言葉の問題は、英語の多用よりも
方言がその場を失いつつあることだ。
上海の子供の多くがもはや上海語を話さない。極端な場合はそのために祖父母たちと
通じ合うことができない。若い世代が話さないことはその言語の死を意味する。
台湾作家の白先勇は生粋の桂林語を話す。抗日戦争のさなかに生まれた彼は、桂林で
過ごした月日はわずか数日であった。祖父の白崇嬉(「嬉」の左は「示」)将軍は
子供たちに外ではよいが、家では桂林語以外で話さぬようにと命令したという。
客家には「田畑は売っても言葉は売るな」という言い伝えがある。言葉を交わせば
同根同源であることがわかるのだ。客家の言葉は仲間であることを確かめる大切な
標なのだ。
普通話は業務用の共通言語として習得しなければならないが、普通話は方言のような
活き活きとした表現に乏しく、市民の話し言葉に根ざしたものではない。一方で方言
には時代による変化はあるものの民族の文化と歴史が詰まっている。
南方の方言は遊牧民族の影響をあまり受けなかったため多くの古漢語の要素が残っている。
杜牧の七言絶句『烏江亭』も普通話では全く韻を踏まないが、広東語においてはきちんと
韻を踏む。
英語の攻撃から中国語を守ろうと思っている諸君、まず方一言を見直すべきではない
だろうか。
(『南方週末』2005年11月10日)

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