中国ウォッチング『善隣』2006年2月号(上松玲子訳)


13%がインターネット中毒

青少年の13.2%がインターネット中毒で、さらに13%が中毒傾向という。 ネット利用者のうち中毒者の比率は13歳から17歳までが17.1%と最も高い。 中国青少年ネットワーク協会が『中国青少年インターネット中毒データ報告』を 本日北京で発表、対策が急務であると提言した。 同協会のカク(「赤」+「郡の右側」)向宏秘書長によれば、協会が今年8月から 国内26の省、自治区の都市および4つの直轄市で実地調査を行うと同時に、 ネット上での調査を行い、有効な回答2万2500件を得た。調査の結果、 中毒の青少年の比率は男性が17・07%、女性が10.04%で、中でも 中学生の状況が深刻で、23.2%という集団もある。中学生がインターネット 上で行うのは主にネットゲーム。これについて関係部は重点的な防止策をとる 用意があるという。 今回の国内初の公式報告により、地理的、経済的要素に関係なく中毒現象が分布 していることが明らかになった。東部地区の中毒者の割合は14.5%、中部は 14.0%、西部は22.0%で、大きな差はなかった。全ての都市の中で北京 の青少年の中毒率が23.5%と最も高かった。(『光明日報』2005年11 23日)


都市に十年遅れる農村

国家統計局副局長邱暁華は先ごろ都市と農村部の消費レベルの差は驚くべきものだ と発表した。総体的に見ると、現在の農村部の消費レベルは1990年代初めの 都市の消費レベルであり、農村は都市に10年遅れているという。 都市と農村の格差が拡大し続けていることは経済発展における顕著な問題となって いる。2004年末現在、農村部の絶対貧困人口は2610万人、最低限の生活 レベルにあるのが4977万人である。我国の農村部に困難な生活を送る人々が なお多数いることを示す数字である。 国家が政策上様々な農村優遇策を打ち出しているにもかかわらず、なお都市と農村 には3.21対1の差がある。 農村における医療共済の普及率は10%に過ぎず、90%以上の農民は自費診療 となっている。国家財政における農業関係の支出の割合は下がり続けている。 2003年には都市住民の日常生活に関わる食糧、綿花、油、肉など財政補助金 支出が農業基本建設に対する支出を上回っているのである。 (『斉魯晩報』2005年9月7日)


国民の幸福感が増す

中国社会調査所が最近発表した2005五年民意調査報告の中で、2004年に 比べて総合的な幸福感は増した一方で、家庭生活に対する満足度は低下している ことが明らかになった。 調査対象者の47.6%の人が幸福感の総合評価で「大変満足」か「満足」を 選んだ。これは前年に比べ8.7%増である。中でも国家の国際社会での地位 についての満足度は前年の66.7%から各項目の中で最高の74.4%に上昇 した。「健康状況」が48.5%、「物質的生活水準」が44.8%、「精神的 生活水準」が39%、「教育程度」が39%で、それぞれ前年比3.1、12.8、 7.4、8.8%の上昇だった。 一方「家庭生活」に関する総合満足度は2004年の40.6%から33.7%に 低下。特に「住宅状況」に対する満足度は前年比12.1%低い20.5%であっ た。中国社会調査所はその報告の中で、中央政府は2005年も調和のとれた社会 の実現に努めたが、様々な理由で社会の協調度は低い状態にあるという見解を示し た。(『新華毎日電訊』2006年1月1日)


出稼ぎ者の家計簿

北京で働くある地方出身夫婦の11月の家計簿だ。安徽省出身の解さんの月収は 一千元、妻の李さんは休日出勤分も含めて千百五十元だ。食費が五百五十元、 煙草代が一〇三元、子供が風邪で医者にかかり百二十五元八十銭、家賃が四百五十 元、バス代が三十元。(普段は徒歩通勤)、子供の冬物衣料に八十元、日用品代に 三十元。ほかに学期ごとの学費がある。 都市で働く農村出身者全国一億人の中では中流程度では、と李さんは言う。しかし 今年で8年目になる北京での生活はせわしない。李さんはパートの家政婦。時給 六元から七元で朝七時半から一家庭二時間ずつで四家庭をまわる。残業や休日出勤 を除いて収入は一ヶ月一千元と少し。夫の解さんは内装業者に一ヶ月一千元の給与 で雇われている。貸間は十平米で台所もトイレも暖房もない。 子供の学費は一学期六百元で、北京の戸籍を持つ子供より五百五十元も多く、ほか に書籍代に六十数元かかる。これらのほかに食費や交通費、衣服費を引いて毎月の 貯金は二百数元だ。九歳の息子は同級生に「僕も北京人だよ。将来皆と一緒に北京 大学に行く」と無邪気に話す。「この子は一歳になる前に北京に来たので、言葉は 全く訛がないんです。本当に北京大学に行くかもしれないし、生活のため、子供の ために頑張らなくちゃね」。と李さん。(『工人日報』2005年12月2日)


税金のブラックホール

「引税」とは本来管轄区域外の税を誘導し、実際よりも多い還付や良い業務評価 受けることだ。先頃湖南省で報告された郷鎮の「引税」行為に関係する大規模な 領収書偽造販売事件は「引税」が注目される発端となった。 湖南、江西、安徽、四川、寧夏、甘粛、広東、海南などの省、市、自治区では郷鎮 の「引税」行為は公然の秘密で、手口も様々だ。納税に対するリベートを餌に域外 の人や本来別の地域で納税すべき企業を地元で登記させて税を確保する「拉税」。 天災や企業倒産等で税収が基準に達しない鎮が、他の鎮から税を借り、財政部門か ら税務部門に手数料が払われる「借税」。 他の地域から税を買う「買税」。税の等級を故意に混ぜて本来省や市に入るべき税 金を県の財布に入れ、還付を受ける「混税」などである。 特に経済の立ち遅れた一部の郷鎮では税率の軽減や財政還付などの奨励策で「引 税」している。 江西省のある郷鎮では税率の30%から50%を還付しており、湖南省長沙の県内 の郷鎮は建築業者へ最高40%も還付している。94年に分税制度が実施されて 以降、税源の不足に悩む大部分の郷鎮はよい評価を得るために帳簿上年度の財政 収入を水増ししたため、財政計画は実情に乖離して毎年増加、収支の差が広がる中、 比較的税源が豊富な地域に目をつけた。 税源が豊富な郷鎮も地域が使えるお金を残すために積極的に「引税」に関与して便 宜を得ている。税を取り合い、各郷鎮が競うように税率を下げたため、納税者の税 負担の公平が保たれていない。長沙のある県の郷鎮の幹部は、主な原因は郷鎮の経 済的困窮と、現行の財政の分配システムの不合理にあるいう。良好な税源は国家財 政に属している。 この幹部の郷鎮には多くの建設業者がいるが、納税地が登記地ではなく、営業地に 改められたことで大きな打撃を受けたという。県が管轄下の郷鎮に課す税収目標は 「取れるだけ」ではなく、基準値が設けられ、それを超えた分は県と郷鎮とで 分配し、基準に満たなければ経費を削減されると同時に官僚の評価に関わる。 郷鎮は経済状況が良くも悪くも「引税」に積極的になるのだ。 好ましくない行為の蔓延を見るに管理体制やシステムの不備に関心をもたざるを得 ない。(『瞭望』2005年50期2005年12月22日)


    


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