老寡婦たちに保障を
夫を亡くし固定収入のない都市部の老婦人を専門家は「遺属」と言う。「遺属」たち
の生活は厳しい。北京の張さんは七十歳。夫が亡くなると収入が途絶えた。息子と娘
がいるが、息子は失業中のため、娘を頼っている。しかし娘も裕福ではないので普段
は青菜ばかり食べている。肉には一カ月三元使うか使わないかだ。清華大学老年学研究
センターの裴暁梅教授によれば、家庭の主婦は夫や子供の面倒をみてきただけでなく、
80%以上の人が仕事の経験があるという。劉さんという婦人は1973年に夫に
付いて北京の建設現場の「家属連」で働いた。「魚を採ったり、エレベーターの操作
をしたりで二十年は働いた」と言う。しかし、80年代中期になると多くの農民が
労働力として北京にやってきた。彼らは力はあるし、賃金は安いしで、劉さんの現場
の指導者が「家属連」の仕事をなくした。
その後様々な職場で仕事をしたが、正式な職員になることは叶わず、二十年も働いた
のに結局正式な体制の枠外に身を置く事になったのだ。「正職員よりも安い賃金で
最もきつく、最も疲れる仕事をしてきたのに、今では何も残っていない、、病気にも
なれやしない」と多くの老人がこぼす。劉さんも疑問に思う。若い頃は人と同じよう
に働いたのに、歳をとって誰も構ってくれないとは。
研究センターの研究員たちはこうした老人たちのほとんどが数十年前に夫に付き
従って北京に出てきた農村出身者であるということに気がついた。彼らは都市の戸籍
がなかったために正式な職員になることができないままの状態だったのである。現在
の社会保障制度ではこの問題を解決することはできないと裴暁梅教授は言う。彼らが
社会貢献してきた以上、金額はどうあれ退職金があって当然ではないだろうか。それ
は、彼らの存在価値を認める意味でもあり、また彼らが人に頼るのではなく尊厳の
ある生活を送るためにも。
さらに本質的なことに踏み込めば婦人が家庭で果たしてきた役割、家事労働の価値が
市場や政策上認められたことがないと言う問題がある。「遺属」の保障制度を確立
することができれば家事労働の価値が制度上初めて認められることになる、と裴暁梅
教授は言う。(『中国青年報』2006年3月16日)
深川の女工の生活
深川で働く数百万人の地方出身労働者の男女比は男性1対女性7である。一部の地区
では女性が男性の二十倍であるという。女性労働者の生活の実態を取材した。
3月14日正午、多くの工場が集まる坂田雪象村である工芸品工場の前を通り過ぎる
と入り口脇の芝生で作業服姿のまま子供に乳をやる数名の女性を見かけた。昼間家に
帰る時間がないので、家族がここまで乳児を連れてくるという。
貴州省沿河県出身の馬さんは深川に来て三年になる。昼になると近くの工場で働く夫
が昼食を持って生後五ヶ月の子供を連れて来る。昼食を取りながら授乳するのだ。
借家がたまたま近いからできることだと夫は言う。工場に託児所があったらいいの
に、と馬さん。平素は静かな坂田象角塘村の大通り、昼の十一時半になると工場から
女性労働者たちが次々に出てきて賑やかになる。皆路上の三輪自転車の惣菜屋に走るのだ。
ご飯が一杯二元で、青菜の炒め物は只で取り放題。味はずいぶん塩辛いが、あっという
間に売り切れる。通りを行くトラックが撒き散らす砂埃も構わずそこで昼食を取る理由
は、工場に食堂がないか、あっても質のわりに値段が高いからという。濤さんという
女性が教えてくれた。宿舎は3LDKの民家に30人から40人が住んでいるという。
トイレは一つだけで、シャワーも一人15分しか使えず、シャワーのついでに洗濯が
できないので、昼休みに工場のトイレで洗濯をするのだという。
あるプラスチック製品工場の前のトイレがあまりに汚れていた。燕さんという女性
が工場内のトイレは男女共用で女性は仕切りのある所を使うという。男性と鉢合わ
せしたら嫌でしょうと言うと、そんなことは慣れてしまったが、それよりも勤務中
のトイレ休憩には厳しい時間や回数制限があって大変だと教えてくれた。5分以上
休憩していると注意され、最悪は罰金である。彼女の姉は横崗の電子部品工場に
勤めているが、一回のトイレ休憩は1分または3分と決められている。ラインを
止めないように二人以上が同時にトイレに行くことができないので、多くの労働者
が自分の番が来るまで我慢を強いられ、そのために腎炎になった者もいるという。
(『深川商報』2006年3月20日)
増える綿花の輸入
国内の綿花の需要は1998年以降毎年10%程度増加しており、需給の逼迫が
深刻化したため、国外の綿花を大量に輸入する綿花輸入大国となった。輸入量は
毎年増え続けている。
国家発展改革委員会の予測ではこの傾向は当分続くという。米国綿花協会の専門家
の試算では、2014年には中国の綿花需要は世界の総生産量の半分にまで増える
という。紡織企業は綿花需要を満たすために外国産の綿花に期待している。
農業部から新彊ウイグル自治区に支援に派遣されている幹部、関鋭捷氏は、国内生産
の発展を目指すのか、それとも輸入に頼るのか、戦略的選択をすべき時だと指摘
する。一方的に輸入に頼るようなことをすれば、農民が苦しみ、国家は困難になり、
紡織業は八方塞がりの状態に陥るだろうという。
農業専門家の石元春氏は、2002年の輸入量は四百数万トンで、当時の買い付け
価格や利益から換算すると、国内の綿花生産者の損失は総額183億元、生産者一人
頭200元の損失があったことになるとしている。
関鋭捷氏は、国家が今適切な政策的支援を新彊ウイグル自治区に実行すれば、五年で
新彊の綿花生産量は二倍になり、紡織業を支える力になるだろうと見ている。
(『経済参考報』2006年3月28日)
勤労能カはあるが意欲が
海南省民政庁の担当者によれば、同省の生活保護受給世帯は6万2000世帯、
13万5000人で、申請者は年々若年化しており、そのほとんどが失業者という。
その多くは関係部門が手配した就職先を受け入れようとせず、かといって民問企業
で働こうともせず、サービス業にも就こうとせず、清掃作業などの仕事については
恥ずかしい仕事としてやろうとしない。
黄さんは27歳。二年前に警備会社を辞めてからはずっと家にいる。月210元の
生活保護を受け何とか生活している「地区の役所が紹介してくる仕事はきつい仕事
ばかり、しかも月550元にしかならない。我が家は一家三人の生活保護を合わせれ
ば600元になるのに」。こんなことは海南省ではめずらしいことではない。民政庁
のある担当者は、差額補助制度のため、二元稼げば補助が二元少なくなるため、彼ら
の働く意欲に影響していると言う。
国際的慣例によれば労働能力のある者が受ける補助は一般的補助額の三分の二から
四分の三程度である。実際生活保護が怠け者を養っていることになる。根本から
言えば生活保護受給資格の審査と管理が上手くいっていない結果だ。
海南省政府は労働能力がありながら生活保護を受ける者は、毎週一定の時間公益
労働に服さなければならないという規定を設ける予定だ。これにより彼らにも
多少の貢献をさせようというのだ。これも多くの都市でみられる「生活保護で
怠け者を養う」という現象を改変させる有効な措置であろう。
(『工人日報』2006年3月31日)

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