娘と同じ小学生
8月末、28歳の趙喜さんは娘の学ぶ北京市朝陽区京華小学校の一年生
になった。趙さんは小さい頃1ヶ月しか小学校に通わず、名前さえろくに
書けない。字が書けないため何度も失業した。ある就職面接で「新聞が読め
ますか?」ときかれ逃げ帰った。「それがきっかけで学校へ行くことを決意
したんです。」と趙さん。
最初は恥ずかしかったけど慣れました。隣の教室で学ぶ小学三年生の娘は母の
ことで同級生にからかわれ何度も泣いた。しかし、校長先生が学活で母親の
ことを説明するとからかわれなくなった。
趙さんは毎朝四時に起きて仕事をし、娘に朝食を作ると二人で登校する。娘は
「母は私より頑張って勉強しています。」という。ピンインを習うのに、訛り
があってうまく発音できないため、放課後、時には娘が先生になって何度も
練習する。学べば学ぶほど学ぶべきことの多さがわかる、字も覚えたいという
趙さんの決心の源は、家で字が読めないのは自分だけで、家族の話が理解でき
ないからという。(『京華時報」2006年8月20日)
業界間の不公平
浙江省文成県たばこ専売局を定年退職した張さん(仮名)は、娘に職を継がせ
ようと7万元を局長に渡したが、思うとおりにならず、腹を立てて局長を収賄
で告発した。
たばこ専売業という独占企業の給料の高さは誰もが羨むのだ。張さんの退職前
の月収は8000元以上。県の専売局の出納係は高い技術も必要ではない。
我国の分配制度が業種問の不公平という問題を抱えていることを露呈している。
収入は個人の知識や技能によるのではないのである。
7万元で煙草専売局に入れれば、一年で元がとれる。だからこそ局長は「7万元
で仕事が世話できるとでも思ったのか。」と言えたのだ。独占企業のハードルは
そんなに低くはない。所管の役人たちが権力を利用して利益を得ているのは想像
に難くない。(『新民晩報」2006年8月22日)
日常の中の無駄
人々がどんどん新しい携帯電話に替える時代。携帯電話の使用者が三年ごとに
買い換えるとして毎年2億個の電池と1億個の充電器がゴミと化している。ある
電気店で、「1年少し前に買った携帯だけど音楽も聴けないの。」と店員が
勧めるオレンジ色の携帯に買い換える女性。大人画面でカメラ付、音楽も聴け、
チャットもできる。
取材した人の半数は1年毎に携帯を買い換えるという。流行に敏感な人は
半年毎。携帯は最早単なる通信機器ではなくファッションの一部だ。
住宅の過度の内装で三百数億元が無駄になっている。最近家の内装を終えた北京
の劉さんは明るく豪華になるようにと客間に30以上の照明をつけたが、あまり
使わないという。6割以上の家庭で内装の無駄があり、300億元以上が無駄に
なっている。
北京の高級レストランの午後9時。宴席がひけたばかりの個室では全く手をつけ
ずに残った2皿の料理がそのまま捨てられる。業務上の宴会では料理は多めに
して誠意を見せないと、と客はいう。1軒のレストランで毎日50キロの料理が
捨てられているとすれば、全国で毎年600億元が捨てられているという
ことだ。
北京甘露園に住む張さんは二人暮らしだが、エアコンとテレビが各2台、冷蔵庫
と扇風機がある。「1度(1kwh)、たったの4角8銭でしょ。」とあっさり
言う。一月の消費は百数度程度という。家電は電源が入っていなくてもコン
セントを抜いていなければ電力を消耗する。北京だけでもそうした無駄は家庭
の支出として年間1億8000万元に上るという。
北京の王さんは全自動洗濯機を使っているので、水を浪費している感覚はないという。
しかし、洗濯用水は家庭用水の3分の1を占め、1回の5キロの洗濯で160リットル
が一度使われただけで捨てられる。北京全市427万6000世帯の平均使用水道量は
1世帯で月3トン、2日で昆明湖が空になる計算だ。細かいことだという人もいるかも
しれないが、国家的にみれば省資源に関わる、ひいては国力に関わる大問題である。
(『工人日報』2006年8月21日)
婚礼費用は誰が持つ
中国の婚礼費用の高さには驚かされる。中でも上海人は最も豪華で平均18万7000元
で全国一という。香港でも18万香港ドルということだ。多くの上海人が生涯忘れ
られぬような婚礼にお金を惜しみなく使う。999本のバラの花びらで雨を降らす
など既に陳腐な演出となっている。蝶を舞わせたら、という婚礼会社の提案に「一生
に一度のこと。1万5000元なら価値がある。」と即決する。
比較的簡素な庭園結婚式でも上海人はお金を使う。ある婚礼会社の女性が担当した
庭園結婚式では、4列のリムジンを生花で飾り、化粧、撮影、花びらのシャワーを
用意して4800香港ドル、このほか会場の花、ドライアイス、照明、司会の費用で
2188元、庭園の中の邸宅での婚礼に1万2800元、このほかに宴席や送迎の
車代がかかる。ダイアモンドもなくてはならない。1万元は当然、数万元する1カラ
ットのダイヤの指輪も珍しくない。わざわざ香港に出かけて五、六万元のものを買い
求める新婦もいる。
問題は結婚する本人たちに負担能力がないことだ。婚礼だけで10万元以上使うが、
新居の費用はこの計算外だ。半数以上が親の援助で結婚しているのである。
(『参考消息』2006年9月26日)
歌手オーディションで親の散財
今年の「超女」(「超級女声」スーパー女性歌手オーディション)で長沙地区4位の
新彊代表、張美娜は地区代表戦で敗退した。
48歳の母親は、「こんなチャンスはないと思って全力で応援しました。周りの人は
有名になって羨ましいというけれど、お金を使い、友達や親戚も巻き込んで疲労
困憊、災難のようです。」とため息をついた。
母親は主催者に招かれて行った長沙で、多くの参加者がファン投票に使われるメール
投票の票を買っているという話をきいた。すぐに夫に電話をかけ、新彊移動公司の
携帯電話カード(カードは番号と一定の通信料金に相当する)を3000枚、4万
5000元相当を買ってもらった。1枚のカードで15回投票できる決まりになって
おり、オーディションの前日には30人の親戚や友達に頼んで一昼夜かかって4万
5000票の投票を終えた。他にも、1枚50元のポスターを100枚以上つくり、
娘のファンクラブが白主的につくった写真入のTシャツ代を援助し、彼らを食事に
招き、これらで2万元は使った。
今回のオーディションで11万元近く使ったと母は言う。母親白身は病気で2年前に
退職し、父親だけが働いている。今回で借金が9万元残ったという。娘の夢を全力で
応援したとはいえ、一体「超女」とは何なのか、後ろ楯やお金のある者、メールを
上手く買えた者がさらに遠くへ行くものなのか、と釈然としない母親である。
(『中国青年報』2006年8月31日)
(訳者註)
「超級女声」は湖南テレビが放映
する全国規模のスーパー女性歌手オーディション番組で、地区予選から全国大会まで
数回のオーディション毎に人数が絞り込まれ三強が決まる。若者を中心に絶大な支持
を得、青少年に有害、低俗であるなどの様々な批判を受けるほど社会現象化した。
また、広告料、スポンサーの売り上げ増の他、今年は3000万元をくだらないと
いわれた(『広州日報』2006年8月23日)ファン投票に使われる携帯電話の
ショートメールサービス料をめぐっても様々な話題がつきない。

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