中国ウォッチング『善隣』2007年3月号(上松玲子訳)


卒業と同時に結婚を

陸さんは有名大学の四年生。就職活動に忙しいかたわら、母が手配した見合いにも 出かける。今までに四度見合いをした。相手は医者、公務員、民間企業経営者の 息子、個人経営者だ。両親は、優れた中にも優れた相手が選べるようにと五度目の 見合いを計画中だ。「大学に入ったばかりの頃は自分一人でやっていける強い女性 になりたいと思っていたけれど、四年生になってそんな考え方は実際に合わないと 感じるようになった。いずれ嫁ぐなら自分の条件が良いうちに相手を見つけておい た方がいい。そうすれば仕事がみつからなくても困らない。」と陸さん。 就職戦線の厳しさを知って「よい仕事よりも良い嫁入り先」を考えるなど、ある 男子学生に言わせれば、最近の女子大生の結婚相手募集は、愛情が基準ではなく、 遺失物か尋ね人のようだ。人は物、婚姻は資産の再編のよう。決して提唱できるものでない。 だが、このような「急嫁族」の出現にも理由がある。上海青年管理幹部学院の王 裕如副教授は、大学生は卒業にあたって就職と結婚とに二大重要事項を考えなけれ ばならない。企業との出会いと、人との出会いを比べれば人との出会いである結婚 の方が簡単で、結婚を就職より優先させる考え方もわからなくはないという。 「エリート女性の結婚問題」が社会の関心を呼ぶ今日、女子大生が事業に専念する 前に、花の盛りのうちに結婚してしまおうと思うのも無理からぬことではないか。 (『解放日報』2006年12月1日)


金持ちの第二子に制裁

1月11日、国家計画出産委員会主任の張維慶は広東省で記者の取材に答え、以下 のように述べた。 富豪や有名人が計画枠以上の子供をもうけることは、絶対数は少ないが社会に 与える悪影響は大きい。彼らが規定違反をするのは、伝統的な概念の影響もある し、彼ら自身の教育レベルや社会の管理体制にも問題がある。現在こうした行為 への対処は主に社会扶養費の徴収という形で行われているが、法治と徳治を結び つけるように考える必要がある。 (『羊城晩報』2007年1月11日)


犯罪被害者救済に期待

最高人民法院は2007年事業計画に「刑事事件被害者の国家救済制度制定の 検討」を重要任務として盛り込んだ。 法律では被告人が被害者に賠償するべきとしているが、実際は犯罪者の経済能力 が無いなどの理由で賠償できないことが多い。被害者とその家族は治療費などに 莫大な出費を余儀なくされたり、障害により自立した生活ができなくなったり、 労働能力を奪われたりで生活が困窮しながら、賠償が無いという状況である。公民 が個人では背負い切れないほどの事故や犯罪被害に遭った場合、政府は補償と 援助を行い、困難を乗り越えられるように支え、基本的な生活水準を保証する 責任がある。刑事犯罪被害者に対する国による救済制度の確立は弱者に対する 配慮のみならず、文明的な司法、調和の取れた司法のあるべき姿である。一日も 早い制度の確立を期待する。 (『華夏日報』2007年1月9日)


ゴルフ会員券と腐敗

江蘇省政治協商会議委員の王雨時氏は同省政治協商会議の第9期第5次会議に、 政治腐敗反対のためにも公務員のゴルフ会員への監督管理強化を提案した。 南京の某ゴルフ倶楽部の価格表を見れば、1回のプレイで千元近く使うことは 明らかだ。この倶楽部の会員カードは最低でも66万元、最高で264万元で ある。更に年会費が4千元かかる。 多額の費用がかかるのに、海南省のゴルフ・ファン2千人のうち、多くが党や政府 の幹部である。江蘇省でも多くの幹部がゴルフ倶楽部の会員になっている。王雨時 氏は、公務員がゴルフなどの賛沢な活動に参加する場合は他の誰かが勘定を持って いる可能性が高く、収賄にあたると指摘する。同氏は提案の中で、規律委員会や 監察部門が公務員のゴルフの現状について調査し、それを踏まえて腐敗防止の規律 を設け、公務員のゴルフに対する監督を強化することを提案している。また、必要 な際は、検察機関は会員名簿を調べ、特に党や政府の指導的立場の幹部の収賄の嫌疑 については充分に調査するべきとしている。 (『新民晩報』2007年1月26日)


中国医学の現状

この一世紀あまり、中国医学は数々の批判を受けてきたが、今回は特別だ。西洋 医学が圧倒的に優勢で中国医学が力の無い中で行われた批判であり、張公耀等が 中国医学の医療体系からの撤退を公然と要求したことで市民の間でも大論争が 持ち上がっている。 北京のある中国医学病院での出来事だ。深夜、心筋梗塞と脳血栓で運び込まれた 急患に医師たちは西洋医学の薬剤点滴の処置を始める。とそこへ上司の医師が巡回 に来て、ここは中国医学病院なのだからと、西洋医学的処置は即刻中止し、針で治療 するように命令する。しかし上司が去ると、医師たちは急いで心電図や点滴の器機 をつなぎ直す。心の中で上司への不満を抱えながら患者を救う努力を続ける。中国 中医研究院広安門医院腫瘤科の張培(丹+彡)副主任は20年の医師経験を持つ中国 医学の医師だ。同氏は現在の中国医学の現状を全面的に萎縮状態であるという一言で 断ずる。 統計によれば中国には8万5,705の衛生機関があるが、中国医学の医療機関は 僅か3,009に過ぎない。国家医薬管理局で11年間司長を務め、現在は中国 中医研究院望京医院院長の陳珞珈氏によれば、現在では中医病院といっても、実際 は全て中国医学と西洋医学の総合医院であるという。中医医院でも大量の西洋医学 の薬剤を使うだけでなく、設備のあるところでは手術も行っている。何故なら病院 存続のためには入院も受け入れ、患者の安全を図らなければいけないからだ。 3,009箇所の中国医学の医療施設の経営状態は、三分の一が良好、三分の一が なんとかやっていける程度、残り三分の一は非常に困窮しており存続が難しい状態 である事がある調査で明らかになっている。総合病院においては中国医学科は経営上 足を引っ張る存在だ。北京医院鍼灸科の田麗芳女史によれば鍼灸按摩科は一番儲から ない部門だそうだ。 新浪ネットである調査を行った。参加した5万5,690人のうち中国医学は支援 されるべきだという意見の人が74.37%、「中国医学は優勢である」と思う人が 81.34%でありながら、「病気になったどちらに行くか。」という問いには 57.52%が西洋医学の病院へ、42.48%が中国医学の病院へと答えている。 この数字からうかがえるのは、中国医学を支持する人々も中国医学を選ばないという ことであり、民族的な感情から支持するといっているだけで、信じてはいない場合が 多いのだ。 張培(丹+彡)氏はこう述べている。中国医学の治療できる病気の範囲は主に内科の 一部の症状に限られており、西洋医学は病気の原因がわからないと治療の方法がない が、原因さえ突き止められれば、ワクチンのように病気を抑えることができる。西洋 医学は前進を続け、中国医学は後退を続け、いつか市場から退却することになりかね ない。数年前までは化学療法を受けた癌患者の白血球が減った場合は、中国医学の 手法でゆっくりと白血球の数値を上げる治療が行われていたが、薬が開発されるや その効めの速い薬が用いられるようになった。かかる状況下で誰が中国医院を選ぶ のだろう、と張氏はなげいている。 (『新聞週間』2007年第3期1月26日)


    


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