中国ウォッチング『善隣』2007年9月号(上松玲子訳)


人気沸騰、体育の家庭教師

人気沸騰、体育の家庭教師 上海市教育委員会が今後中学入試に体育を入れると決定をした。夏休みになるや、 体育の家庭教師は引っ張りだこだ。上海学梯教育相談センターにも派遣を求める 電話が絶えない。希望種目は、卓球、バスケットボール、柔道、水泳、テコンドー と様々だ。 報酬は一般教師の一時間三、四十元に比べ少し高く、五十元から八十元。上海体育 学院の学生の多くが家庭教師をしている。トレーニングメニューを作り、男子学生は 水泳やバドミントン、卓球等が多く、女子学生は体操が多い。 同学院の顧鄭軍先生は、人気の理由を三つ上げている。一つは、夏休みに子供の平素 の運動不足を解消させたいこと。二つには長い夏休みに子供がパソコン漬けになるの を防ごうというもの。三つには各地の教育部門が進級、進学条件に体育を組み入れ ようとする方針を次々と打ち出したため、親も体育を見直さざるをえないという ものだ。 同学院の楊Y副教授は、親が「重智軽体」という誤った考えから脱却し、子供の身体 の発達にも注意を向けつつある傾向として喜ばしいが、運動は生活の習慣とすべき であり、試験対策と考えるのはどうか、と述べている。 (『中国改革報』2007年7月27日)


29万人の張偉さん

二十九万人の張偉さん 「中国でよくある名前五十」が、あるブログに登場。公安部全国公民番号調査 サービスセンターはこれらのデータは同センターが協力単位と共同で発表した もので、一般の人もショートメールで自分の名前がどのくらいあるものか問い 合わせできるという。 「我々のデータの元は全国公民身分情報システムです。」と同センターの陳さん。 このシステムには既に全国十三億人の情報が入力されているという。名前の登録 照会サービスは子供に名付ける際に、なるべく同名の使用を避けるために活用 してほしいと言っている。同システム利用にはURL登録することもできるし、 子供に付けようとしている名前が全国にどのくらいあるかショートメールで 照会もできるという。 (『新京報』2007年7月26日) 同名の一位から十位は、張偉、王偉、王芳、李偉、王秀英、李秀英、李梛、張秀英、 劉偉、張敏。(『文摘報』2007年8月2日)


広東省医学部不人気の理由

学生が集まらず、募集基準点数を下げたがまだ集まらない、広州地区の医学系大学の 共通の問題だ。崇高な職業の代名詞であり、多くの若者の憧れの職業であった医師 だが、今では自分の職業に疑問や否定的な態度を示す医師が少なくない。「就職難、 高リスク、きつい仕事、激しい競争、淘汰率も高い」等、とりわけ勤続年数の少ない 病院常駐医師達の感想だ。 湖北出身の王さんは2000年武漢の有名医科大学に入学、臨床医学を専攻し、成績 もよく、就職も有利なはずが、「三十人のクラスで卒業前三カ月に就職が決まって いたのは十人もいなかった。」という。王さんは努力の結果深川の婦人幼児保健院 に常駐医師として就職。産科に配属され、二十四時間出動体制だ。「休めるのは日曜 の午後だけ。休みにはただ眠りたかった。」それが一年続き、我慢が限界に。栄養士 の資格をとり、私立の幼稚園に栄養士として転職した。 呉さんは三十歳。両親も医者、兄弟も医療関係の仕事に就き、自分も当然のごとく 医者になったが、二年たって、「患者は白髪のない若い医者を信用しない。いつに なったら芽がでるのか。」と耐えられず、製薬会社に転職した。忙しくても売上げ に応じて給料もボーナスも上がる。だが、医者は一生かかって緩やかに少しずつしか 昇っていけない。 医者になりたくない理由は四つある。一つは仕事量の多さ。医学生は学歴に関係なく 最低三年は病院に常駐し早朝からレポート、検査票記入、主任と回診、記録とその 整理、入院患者への対応に追われる。一日の労働時間は十数時間から二十時間。重症 患者や急患、大手術があれば連日の徹夜だ。 二つ目は待遇の低さ。広州の某病院の指導者によれば常駐医師の三年間の月収は普通 二千元程度。保険など控除後の手取りは一千元程度という。宿舎を提供しない病院も 多く家賃は自己負担だ。この外、就職難のため病院は正式職員として受入れず、身分 は不安定だ。 三つ目は昇進の難しさ。他の業種と違い、昇進試験で四割が落ちる厳しさだ。それ だけでなく二年に一度、国が定めた専門知識試験を受けなければならない。 四つ目はリスクの高さ。父も医師だった徐さんは、「父の時代は医師と患者の関係 がよく、家にはいつも患者さんの故郷土産があり、高価な物ではないが温かみが感じ られた。」という。だが自分が医師になり、その関係が変わったことに失望した。 最近の患者は権利意識が強く、すぐ医療事故ではないかと訴える。敗訴せずとも、 訴えられれば、昇進は絶望。病気が治らない、医療費がかさむ全てが医者のせいだと いう。医師は常に患者やメデイアから批判の矛先を向けられ、社会的にも認め られず、自信も失くなる。「医師は崇高な職業だと思っていたが、今では人にいうの も憚れる。」とさえいう。 (『広州日報』2007年7月26日)


流行語に見る社会現象

北京語言人学、国家語言資源監督研究センターなどが共同で発表した「本年度夏季 主要紙十大流行語」で「基民」(ファンド購入者)〔*()内は訳者註、以下同じ。〕 「播客」(ポッドキャスト)「物権法」及び「奥運会門票預定」(五輪入場券予約一等 が選ばれた。 専門家はこれらの言葉は世相を映すものだという。他には、「黒[石+専][穴+缶]」 (児童強制労働で摘発された闇レンガ工場)「牙防組」(全国歯科予防組、歯磨き粉 の認証が問題になった)「人民幣昇値」(人民元高)「印花税上調」(印紙税増税) 「交強険費率浮動」(自賠責強制保険料)「晒工資」(ネットで給与を公開する 現象、ネット社会と給与格差問題を象徴)「大牛市」(ブルマーケツト)「新世界七 大奇跡」(新・世界七不思議)「熊猫焼香」(コンピユータウイルスの一つ)「太湖 藍藻」「紅楼選秀」(北京テレビの紅楼夢の出演者を選ぶための公開オーディション 番組『紅楼夢中人』のこと)「猪肉漲価」(豚肉値上げ)「仮洋文党」(偽外国語の 証明書、主に留学生の卒業証書や学位証明)などがある。 (『北京晨報』2007年7月27日)


生活費はどれだけ上昇したか

国民消費指数は上がる一方。では一般的な三人家族の暮らしはどう変化したか 試算してみた。住居費。五十数万元の家を購入、四十万元は二十年ローンだ。現在 の最低利率5.51%で計算すると毎月の返済額は2,703元8角から2,735 元7角に32元の増加、返済総額も1万元ほど増える見込みだ。ガソリンは年間で 1.123元増加。月80元の増加だ。豚肉は五百グラム7元から11元に、肋骨肉 は12元から16元に値上がりした。牛肉も4.1%、鶏肉も13.2%、ダツクも 11.4%、卵も21%の値上がりだ。他の副食品の値上がり分も加味すると肉類で 毎月平均150元は余計にかかるようになった。菜心(青菜の一種)は1/2キロ 1元5角から2元5角に、優良米は3から5%の値上がり、小麦粉は1から2%の 値上がり、落花生油もやや上がった。毎月の野莱や穀類にも100元ほど増えた。 このように試算すると毎月360元ほど支出が増えることになる。 (『中国改革報』2007年8月6日)


    


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