中国ウォッチング『善隣』2008年3月号(上松玲子訳)


学生とクレジットカード

秦くんは上海の某有名大学の三年生だ。金を稼ぐ能力はないが消費能力は すこぶる高い。大学に入ると秦くんは工商銀行、建設銀行、上海銀行、 中国銀行など四つの銀行で五枚のクレジットカードを申し込んだ。最初の 使用明細書が家に送られて来た時、母親は顔を引きつらせたが、我が子の 信用度が落ちるのを恐れて金を入れた。そのことが秦くんにより大胆な 買い物に走らせる結果となった。母親は息子に内緒で銀行に退会請求を した。しかし、銀行は総本部に長距離電話をかけるよう要求したり、契約者 本人が来なければ退会できないと言ったり、手続きを一日一日と遅らせる などしてすんなりとは応じない。お子さんはもう大人で信用もあるとか、 使用限度額も設定されているとか、大学生にカードは便利だと説得を始める 行員もいた。母親は、息子が大人というなら、こっちは支払いませんが、 何かあっても親に言ってこないのですかと一言い返した。 息子はカードが使えなくなったことを知り、すぐ別の銀行のカードを 申し込んだ。「なぜ銀行は大学生の支払能力も審査せずにカードを発行する のでしょう。最終的な支払者の同意もなしに」と母親。実際のところ秦くん の父親は病気で多額の医療費のために秦くんの学費さえ問題になっている 状況なのだという。消費感覚だけが時代に追いついて、支払能力が追いつか ないのではどうしようもないでしょう、と母親。 銀行のクレジットカードセンターの顧客マネジャーは、大学生がカードを 申請できるのも親が支払わぬわけがないという認識が前提にあるから、 と話している。(『新民晩報』2007年12月29日)


80年代後生まれの若者像

1980年代以降生まれた若者「80後」が大量に就職する今日、零点研究 諮問集団の袁岳理事長が彼等の特徴についてこう述べた。その一、何をやった らいいかわからない。多くの学生に聞いてみたが、八割以上が将来どんな仕事を したいかわからないという。袁氏の会社でも仕事の内容自体が好きな職員はただ お金が好きな職員とは違う。ある職業で成功するにはその仕事が好きであること が何より必要だが、「80後」たちは職業を単なる生業としかみていない。 その二、上司を上司と思わず。彼らは父親を父親と思わず、生んだからといって 威張るなという。それと同様、上司だから何だ、管理権隈があるだけだ、管理が 過ぎれば他に逃げるだけだ、という。会社に対する忠誠心など露もなく、転職、 退職は普通の事。上司が歩み寄らねば相手にもせず。それを職業上の平等だと 思っている。その三、社会常識を理解せず。貧乏な子は早く大人になるという が、今の「80後」は礼儀や常識もわきまえない。新入社員に常識テストを した。「80後」は百点満点で25点だ。テストでこれだから実践ではもっと 悲惨だ。顧客と食事に行ってもオーダーもせず、立ち上がるべき時も立ち上が らず、名刺も差し出さず、目上の者と同席している場合の食事の作法すら知ら ない。学生は入学したらすぐに、就職を見据えて実習を始め、実際に働くこと を通して、自分達に何が求められているか実感すると同時に、社会常識や社交 能力を培い、自分の社会的価値を高める努力をすべきだと袁氏は主張する。 (『北京日報』2008年1月16日)


体育はゴルフが人気

現在全国で50以上の大学でゴルフの講座を開いている。上海では11の学校で 体育科目にゴルフが設けられている。上海財経大学でゴルフ講座が設けられて 1年、体育科目の中では受講希望者が格段に多い。毎学期1クラス25人で10 クラス開設しても尚足りず、抽選が行われるほどだ。同大学の体育教学部主任は、 学生たちの視野を広げ、最先端のスポーツに対する理解を深める事に役立って いると語る。受講する学生たちはゴルフができれば社会で活動するのに役立つ だろうというのが動機だ。 しかし復旦大学文学部の翌さんは反対だ。「ゴルフ講座なんて一部の人の趣味を 満足させているに過ぎない。大学生はこのスポーツの本当の楽しさを体験できる ほどの経済力はない。」という。 復旦大学で学生の就職を担当する講師の意見はこうだ。今の中国の大学生に一番 欠けているのは、職業技能やストレスに打ち勝つ力、社会人としてのマナーや、 職業を敬う気持ち、団体行動意識などの職業的素質だ。ゴルフはたかだか職場の 社交マナーの一つに過ぎない。お金のかかるゴルフは一般の人には遠い世界、 まして大学生にはさらに遠い世界だ。経済的に独立もしていない学生のうちから、 このような賛沢を求めるのは早すぎるのではないか。 (『文匿報』2008年1月21日)


レジ袋の有料化決まる

1月8日国務院は今年の6月1日より全ての小売店でレジ袋の有料化を実施、レジ 袋の無償提供を一律に禁じることを発表した。買い物籠や折り畳める布の袋を持ち 歩けばよいのだ。問題なのはゴミ袋だ。ゴミの回収に布の袋を使う、またはゴミ バケツに直接入れるのではそれらを洗う水も手間もかかるので現実的でない。6月 1日以降はゴミ袋がよく売れることだろう。 この際、関係部門はこれをゴミの分別を推進するよい機会と捉えてはどうか。ゴミの 種類に応じたデザインの袋を作り、きちんと分別できる市民にはゴミ袋を安価に提供 するというのはどうか。新政策まであと5ヶ月。心配なのは只で貰えるうちに多めに 貰ってためておこう、という市民たちのマメな行動だ。 (『法制晩報』2008年1月9日)


使用済みカードによる汚染

クレジット社会、ハイテク社会の今日、我々の生活は否応なく磁気カードに囲まれて いる。出勤時に、支払い時に、会員カード、ポイントカード、銀行カード、診察 カード、交通カードときりがない。予測では2010年までには25億枚のIC カードが出回ると予想されている。形もデザインも様々なカードは我々の生活を 豊かにしてくれる一方で、環境汚染という副作用をもたらすのだ。環境保護の専門家 によれば現在使用されているカードはほとんどがPVC製だ。地下に埋められても 30年間は分解されず、土壌の硬化や塩化をもたらし、農業や林業、牧畜業に危害 をもたらす。燃やせば発がん性の有害物質を排出する。さらにICチップ部分の 重金属や合金の有害性は使用済み電池やプラスティックゴミ以上のものが考え られる。今後使用済みカードの処理には集団回収を進めるか、原料を紙など無害な ものに、変えていく方向になるであろう。 (『市場報』2008年1月4日)


中国への密入国  

北京国際空港入国管理総隊の馮洪波によれば、以前は中国への密入国者は中東や モンゴル、東南アジア諸国などからがほとんどであったが、2006年後半から アフリカ諸国からの密入国が急増したという。中には麻薬の密売や密輸入、広州 で商売をするのが目的の者などがいる。「この1年余り、アフリカ人は特に商売 目的が多い。正規のパスポートで入国するがそのまま不法滞在し、出国する時は 罰金逃れの為、偽造パスポートで出国する。中東から来るのは多くが戦乱を逃れ、 密入国を手配する国際的組織から高額な偽造バスポートを買い、中国を経由して 欧米諸国に渡ろうとする者たちだ。中国を最終目的地とする者も増えており中国 の経済的発展と社会の安定が魅力となっているようだ。」 (『新華毎日電訊』2008年1月17日)


    


 国際善隣学院 中国問題研究所