中国ウォッチング『善隣』2008年4月号(上松玲子訳)


スーパーのレジ係に大学生殺到

以前なら大学生は、スーパーマーケットの店員、レジ係など「低い階層」の仕事 には、目もくれなかった。しかし、2月16日の河南省人材交流大会では、午前 中だけで千人以上の大学生がレジ係の応募に殺到した。「1ヶ月の給与は千三百元 で、社会保険も入れる。充分だと思う。」河南省財経学院で会計を専攻する魯さん は言う。(『新京報』2008年2月19日)


医療補助の盲点

広州市第六中学校の呂日新校長死去のニュースを聞いて、教師達は教師の医療保障 制度について考えた。「病気になったら忽ち困窮する」と教師たちは恐れる。中間 所得層の人々は様々な救済制度から取り残された人々なのだ。呂先生は毎月五万元 もする輸入薬を服用するのを止めた。それなのに入院中の医療投薬費用は一日数千元 にもなった。先生が受けられる公費医療は一旦二百元まで、残りは自己負担なのだ。 呂先生の妹は兄の為に実家を売ったが五万元にしかならず数日で消えてしまった。 広州市教研室の教師、楊冬青先生も胃がんで亡くなったが、同様に家族は数十万元 の借金を背負った。 「広州市教師医療補助資金」の支給基準は申請人の当年の世帯の一人当たり平均 所得が当年の市民の平均所得に満たないことと規定されている。呂先生や楊先生の ような優秀な教師はこの基準を超えており、援助の対象とならない。広州市教育 基金会事務局の譚華主任は、資金不足の為、このような規定もやむを得ないのだと 言う。数百万元の資金では規定を緩めたら二年も経たないうちに破綻する、という のだ。「皆を助けたいとは思います。でも規定は守らないと不公平になります から。」と語った。(『羊城晩報』2008年2月19日)


今後は災害予報に重点

先頃中国気象局の専門チームは現在予報の対象外となっている十日後から三十日後 までの天気予報の実現に向けて検討を始めた。鄭国光局長は気象災害の予報は今後 の重点研究課題となると述べた。 中国気象部は十日後までの予報業務は行っているが、それ以上は行っていない。今回 の氷雪災害においても当初、このような天気が二十日以上も続くとは予測して おらず、交通や電カ、農業生産への影響について推定することもなかった。「災害 予測は難題であるが、今年の最重点課題として取り組む」と鄭局長。大気物理学者 で中国科学院の周秀驥氏は、十五日以上の予報は効力が無いとする学説が現在は 主流であるが、そこを突破するため科学技術界が力をあわせる必要がある、 と述べた。(『中国改革報』2008年2月15日)


復興用物資にも手抜き

中国南方電網公司(電力会社)は、この冬の雪害の復興支援物資について、品質が 基準に達したものでなければならないとして、先頃、41社の物資の提供元企業 を集めて会議を開いた。調査によれば貴州省凱里で災害復旧に使われた電柱が折れ、 これが鉄筋の入っていないものだったことが判明、南方電網の上層部は怒り、 厳重な検査を命令した。 電柱の品質問題が露見したのは一度や二度ではない。2月5日付『北京青年報』に よれば、電柱には1950年代、60年代に建てられたものと数年前、農村電力 整備事業以降に建てられたものがあるが、今回の雪害で旧いものはびくともしな かったが、新しいものは9割が折れたという。各地が停電に見舞われたのも 電柱の倒壊による。折れた電柱には基準を満たさない細い鉄筋しか使われていな かったそうだ。しかし、この杜撰な工事問題はまだ解決されていない、、復旧に 使われた電柱から不良品が見つかったことに疑問の声が上がっている。災害に 及んでも尚小細工をする大胆不敵な人とはいかなる人物なのだろう。 (『深川(注:川は土偏)商報』2008年2月26日)


何のための有料道路

2月27日、国家審計署は『有料道路監査結果』を公布、遼寧省、湖北省等の16の 省、市の百路線の道路で違法に設置された料金所が158か所あり、2005年末 までに違法に徴収された通行料金は149億元に上ることが明らかになった。 一つは責任の回避と転嫁の様相がある。地方の道路整備は地方政府の責任であるが、 莫大な資金を必要とするため、国が不足分を融資し、その返済分を有料化で補う という政策を1984年から打ち出したのである。しかし多くの地方政府が自身の 懐からは金を出さず、専ら国からの融資で道路建設を進めたために、有料化されない 道路は影をひそめ、国民の負担が増す事態を招いたのだ。 二つ目に料金徴収に期限がないという問題がある。本来政府が提供すべき公共施設を 国民に負担させるばかりか、むやみに支払いを長引かせている。33億8千万円を 投じて作られた済南から青島に至る高速道路は12年半ほどで資金を回収できるのに 30年間有料と認可され、国民の負担は275億元も増すことになった。さらには、 数年で既に融資分は返済されているにもかかわらず、有料化が延長されているところ もある。なぜこのようなことが続くのか。まず、市民が慣れてしまって問題に気が 付かず、他人事になっていること、また、地方政府がそうしたやり方を支持している ことが原因であろう。今日各地方の財政収入は大幅に増加し、多くの地方が苦しい 状況を脱している。国民の権利侵害は終わりにするべき時ではなかろうか。 (『北京青年報』2008年2月28日)


500元紙幣発行を提案

「額面の最高が100元というのはあまりに不便。」全国政治協商会議委員で 祈福グループ理事長の彭隣(注:隣は石偏)基氏は500元紙幣の発行を提案した。 わが国の最高額面紙幣の100元札は1980年に発行され、1988年から 正式に流通している。「20年近くが経過し、しかも今はかつてない速さで経済 が成長している。」と同氏は指摘、社会の富も増大し取引額も拡大しており、 500元札を発行する条件は整っていると主張する。高額紙幣が発行されれば 持ち歩きも便利になる上、印刷費用や数える作業、輸送、保管などの費用で毎年 10億元の節約になるという。(『羊城晩報』2008年3月3日)


入場料の値上げ 

最近多くの国内の観光地では各種入場料の大幅な値上げが実施または予定されて いる。中には60%もの値上げもある。昨年物価上昇の原因となった豚肉価格の 値上げよりもひどい。豚肉は需給バランスなど市場原理で値が上がったもので、 生産が増えれば落ち着くものだが、観光地の入場料はいわば公共性のもので市場 云々ではない。以前は「負担に堪えかねて」程度の言い訳で取り繕ったものだが、 今日ではいきなり政府の規定に違反していないと一言い切る。確かに国が観光地 に関して定めた規定に違反はしていないが、何故値上げが必要なのか、理由の説明 になっていない。観光スポットの多くは公共の財産であり、国のものである。 それなのに管理を任された地方がきちんと管理もできていないのにもかかわらず 地主のような顔をする。これも入場料が次々と値上がりする要因である。公共の 財産を一部の人の利益を増やす道具に使うべきではない。入場料は豚肉ではないし、 消費者物価指数がどんどん上がっている今日、入場料の値上がりがもたらす問題に ついて警戒すべきであろう。(『広州日報』2008年3月13日)


    


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